"3月11日"や支援している高校生達の卒業式など、"節目"の訪れが多かった2013年3月。支援の現場で活動する当財団の職員が、それぞれの活動の中で感じたことや訪問先で伺ったお話など、職員の言葉でお伝えいたします。現場職員の言葉から、私たちから見た"被災地"を共有できれば幸いです。 18歳の門出を迎えて~18歳まで携帯料金サポート~ 18歳まで携帯料金サポート担当 職員T
「18歳まで携帯料金サポート」は、現在、30名を超えるお子さまにご利用いただいています。
当支援活動は、その名の通り、18歳の誕生日をむかえるとサポートも終了となりますが、終了のお手続きなどの際、お子さまご自身や保護者の方々と、今後どういう道に進まれるのかお話をさせていただくことがあります。
今年度18歳になった高校生は薬学を専門とした大学へ進学。
地元を離れ東京の大学へ進学された高校生もいます。
また高校で専攻していた知識をいかし、介護のスペシャリストを目指す高校生もいました。
この春からそれぞれの道を歩むことになりますが、多くの希望を抱き、たくましく、そして多くの経験を積み、素敵な社会人を目指して頑張っていただきたいと願っています。
18歳まで携帯料金サポートについて
仙台市の追悼式へ参列 職員A
2013年3月11日。出身地である仙台市の追悼行事へ参列してまいりました。現地に流れる空気が変化しつつあると感じた追悼行事でした。それは各追悼行事で語られた、二つの言葉に起因します。
一つは「風化」という言葉です。参列者の各スピーチにおいて「震災を風化させないように」という言葉が多用されていました。
もう一つは「世代交代」という言葉です。震災当時中学一年生だった生徒たちは、この春から高校生となります。
同様に、当時は高校一年生だった生徒たちも新しいステージへと進みます。被災した校舎、避難所となった体育館、犠牲になった友達への思いを胸に立ち上がろうと団結した世代が巣立つことで、残された生徒たちから、復興への熱意が減退するのではないか。そう心配する声が聞かれました。
今後も刻一刻と現地の空気は変化し続けるでしょう。その中で私たちにどんなことが求められているか、どんな手助けができるか、深く現地に入り込み、寄り添いながら一緒に考え続けること。
その姿勢がこれまで以上に必要なフェーズになったのではないかと思います。
「まなべる基金(第1期)」奨学生の卒業式を取材 まなべる基金担当 職員S
3月1日、気仙沼市のとある高校の卒業式に参加させていただきました。このたび参加させていただいたのは、寄附者の皆様へご報告するため、無事246名の高校生が卒業でき、未来に向かって歩みだせたことを取材のためでした。
久しぶりに再会した高校生もおり、皆それぞれの時間の中で成長し、私たちが驚くほどの想いを持っていることが、取材を通じ分かりました。どの高校生も、支援を受けてきたことに対しての感謝と、その支援に対して「どうしたら応えられるか」ということを模索しているように感じました。
どんな高校生がどんな言葉を語ったか。それは寄附をいただいた方へ特別にお届けする予定です。
東北の未来を担う高校生たちの成長に、10年後の未来の希望が見えた気がいたしました。
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